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日本エイズ学会で優秀演題賞を受賞しました!

    11月29日から11月30日まで新宿の京王プラザホテルで開催された第38回日本エイズ学会で、優秀演題賞をいただきました。私たちの演題は「クスリ・ドラッグを使うことがある人と出会うハームリダクション東京のオンライン・アウトリーチ事業「OKチャット」:Chemsexすることがある人向けのサービスもスタート」というすごく長い演題で、かなり強引と思いつつ、とにかく題目に内容をすべて盛り込んでしまいました。

    表彰状をいただいた翌日11月30日に口頭演題を発表しました。他の発表演題が大変に興味深いものでしたので、午前8時20分から開始の回だったにもかかわらず、多くの方が参加くださっていました。そのなか発表したのですけれど、本当は一緒に活動している当事者メンバーとみんなで登壇できたら嬉しかったです。ただ今の日本ではそれは難しく、だから前日にオンラインで喜びを分かち合いました。

    私が日本で具体的なハームリダクションの活動を開始したのは2008年頃で、注射する人向けに注射器の消毒方法を紹介したパンフレットと、薬物を使用することがある人向けのセーファーセックスのパンフレットを当時作成しました(下の写真のものです)。そのパンフレットの配布を開始したところ、とくに当時のHIV拠点病院などから引き合いを受けたことをよく覚えています。

    ハームリダクションは薬物を使用することがある人の健康と人権擁護が主な柱とする社会運動だと学んできたのですけれど、当時からそして今に至るまで、HIV /エイズの分野でも、当事者を中心に取り組んできた社会運動と重なるところが多くあることは、他国でもそうですし、ここ日本でもそうだと実感しています。だからこの学会に演題発表を申し込みたいという思いになりました。今回は会場がハームリダクション東京もベースを置く新宿での開催でしたし、新宿2丁目のコミュニティセンターaktaの代表の岩橋恒太さんが会長を務める学会でもあったので、その学会でこの素晴らしい賞を頂戴できてとても光栄ですし、なにより活動の励みになります。

    余談ですけれど、今回の学会の公式ポスターのなかで、HIVエイズ分野とつながりのあるコミュニティがイラストのなかに盛り込まれています。そのひとつに薬物を使用することがある当事者コミュニティもあるのですけれど、それをどう表現するかハームリダクション東京もアイデアに関わらせていただきました。

    ポスターにはTシャツを着ている人物が描かれているのですが、このTシャツは2016年に私がハームリダクションの研修でお世話になったイギリスのRELEASEというNGOがおこなった「NICE PEOPLE TAKE DRUGS」キャンペーンのグッズです。実際にそのTシャツがあって、当日それを着て発表しました。

    学会で口頭発表を終えた夜、ポーランドに向かうため日本を離れました。ワルシャワで開催された欧州ハームリダクション学会に仲間たちと参加しました。そこでRELEASEの代表に数年ぶりに会う機会があって、(事前に承諾をいただいていたので)このポスターを見せたら大喜びでした。この学会の参加報告も後日あらためてぜひしたいと思っています。

    (古藤吾郎)