使うのをやめさせるためには、どうしたらいいのかな?
自分がやめるってことじゃなくて?
他の人が使うのをやめさせるってこと。
ちょっとよくわからない感じかも。
だって、自分は使わないけど、使う人たちがいるわけでしょ。
そしたら、その人たちにやめさせるってことになるよね。
そういうことね…。
「薬物乱用防止」とかだって、自分がやめようっていうより、他の人に使うなよ!使わせないぞ!っていうメッセージっぽくない?
わかる気がする。
それで、犯罪だからやめようって最初に考えてみたけど…
なんで犯罪にするのか、かえってよくわからなくなったし…
厳しい処罰だと、かえって相談しにくくなるって話もしたし…
そういうやり方はダメかもってことは、なんとなくわかった気がするよね。
そうそう。でも、じゃあどうやってやめさせるの?
何をやめさせるの?
えー…、違法なもの?
けど、病院やドラッグストアの薬を遊びで使うのも乱用だったよね?
それは違法じゃないもんね。
だから違法かどうかで分けるのって、なんか違う感じがしない?
そしたら、違法のも病院のもドラッグストアのも、全部やめさせようってこと?
また、よくわからなくなってきた。
その「やめさせる」っていうのが、なんか上から目線じゃない?
そうかも。
じゃー、やめてください、お願いしますーってこと?
まだそのほうがいいのかな。
けど、お願いすることじゃないような…。
上から目線じゃなくて、お願いでもなくて…、ってどういうの?
えーっと…。
そうだ、さっき言ってた相談っていうのが良さそうじゃない?
相談ならいい感じかも。
自分がドラッグ使っているとしたら、誰に相談する?
えー…、上から目線じゃない人。
あ、それって最初の自分のことかも…
「ドラッグやめさせる」っていう人ね。
「やめましょーねー」っていう人でも、話しにくい気がするけど。
わかる。なんか話しやすい人が思いつかない…。
使っている人なら、やめましょーみたいにはならないんじゃない⁉︎
ほんどだね。
けど、そんな人が相談にのってくれるとこってあるの?
薬物を使う人のことを尊重する
薬物やドラッグを「やめていこうとする」ために役立つさまざまな支援があります。
しかしながら、薬物を使っている人が薬物を使うのをやめるかどうか、ということではなく、その薬物の使い方に不安や心配がある、とか、薬物を使いながらバランスよく暮らしていきたいなどと思うとき、気軽に相談に応じてもらえるところが、日本にはありません。
海外にはそうしたサービスがあります。薬物を使用することがある当事者が中心になって実施されていることが多いです。なんだか危ない感じに思うでしょうか。けれど、実際にはそうしたサービスのある社会のほうが、薬物に関連した問題が減っていっているのです。
そうしたサービスのなかに、ハームリダクションと呼ばれるものがあります。関わる人は薬物を使う当事者でなければいけないものではありません。海外ではさまざまな職種の人たちが活動しています。
薬物使用がある人と関わるためにできること
いかがでしょうか。このようなことを知って意外と捉える人も、よくわかると考える人も、そしてわかるようなわからないような、ということもあるかと思います。
また、薬物を使用することがある人に、ハームリダクション的に関わりたいと思いながらも、どうして良いかわからない、という人もいらっしゃるかもしれません。今後、このサイトでそうした内容ももっと取り上げていきたいと考えています。
これまでとは違う視点で、あるいは良く知らなかったことを、新たに考えたり・学んだり、そして誰かと対話する機会が少しでも増えればと考えています。そうするなかで薬物に関連するスティグマが解消されていくことを実現したいという思いを抱いて、NYANは活動に取り組んでいます。ご関心を寄せていただき誠にありがとうございます。