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『ODはファッション?生き残りのため?』

    先月のことなのですけれど、『こころの元気+』2025年3月号の特集記事「生き残りのためのオーバードーズ」のなかで、「ODはファッション?生き残りのため?」という記事を執筆しました。

    OD(オーバードーズ)は生き残りのためにしている、そういうメッセージがより発信されるようになってきていると実感します。今回、こうした特集が組まれたのもその流れのなかにあるのだろうとも思います。

    そこでODについてハームリダクションの視点で書こうとするときに、それが生き残りのためだというメッセージは、じつはあまりしっくりこないような気がしています。ODすることがある人=当事者となるので、その当事者を中心にすると、快楽、ファッション、遊びのためにしていることもあれば、生き残りのためにしていることもあるのでしょう。

    厳罰的な社会ではODは「ダメ。ゼッタイ。」の対象となっています。その社会で、生き残りのためにODしている人がいるという理解が深まることは大切なのでしょうけれど、同時に、そこばかりが強調されると「基本的にODはダメなんだけれど、例外もあるよね」みたいなメッセージになりかねないという不安を抱きます。結局、快楽や遊びでするのはよくないという声を、後押ししてしまう危なさを感じるのです。

    ハームリダクションの視点に立つと、生き残りでも快楽でも何であっても、ODすることがあるという現実のなかで、健康や安全をサポートすることができます。遊びや快楽のためのODでなにか大変なことになっても仕方がない、という捉え方にはならないし、それだと当事者の安全を守ることができなくなります。

    そこで、私たちのOKチャットの活動についてや、このチャットではODがファッションのため、生き残りのため、そういうことに関係なく誰でもウェルカムなんだということなど、記事のなかで書かせていただきました。

    よろしければぜひ→(こころの元気+:地域精神保健福祉機構・コンボ)