NYANは、薬物使用がある人の立場で権利擁護(アドボカシー)をおこないます。より良い薬物政策の発展のために活動するネットワーク・プロジェクトです。
正式名称は、日本薬物政策アドボカシーネットワーク(Nihon Yakubutsuseisaku Advocacy Network)で、略してNYANです。
私たちが考えるより良い薬物政策は、NYANのミッション(理念)に基づきます。アドボカシーとは、権利擁護、政策提言、(社会などに対して)声をあげる、という意味があります。
国内外のさまざまな関連分野で活動する団体・個人とのネットワークを広げています。薬物使用がある当事者(主に海外)、薬物依存症からの回復当事者、家族、ソーシャルワーク・福祉・保健・医療・看護などの分野、司法分野、障害者・LGBT・セックスワーカー・移住労働者(在留外国人)のコミュニティ、女性・母子をはじめ多様なジェンダーなど、さまざまな分野とのつながりを大事にしています。
この活動はNPO法人アパリ(アジア太平洋地域アディクション研究所)に拠点を置き展開しているものです。
ウェブサイトをご覧になってくださり、とても嬉しいです。何かご関心がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。
代 表:上岡 陽江
事務局長:古藤 吾郎
ミッション(理念)
- 薬物使用という事象に関して、依存症(アディクション)に限定せず、司法・医療分野と同様に、薬物使用がある人とその身近にいる人の健康と福祉・尊厳と権利を大切にする社会の実現
- 薬物・ドラッグについて、現実的・科学的・合理的な理解が深まり、人々に差別と偏見をもたらすスティグマが解消された社会の実現
- 薬物使用がある当事者が中心となり、アドボカシー活動ができる社会の実現
活動内容
- より良い薬物政策・薬物問題への取り組みのため、国内・海外のネットワークの構築・拡大
- ネットワークを通じて情報収集・情報発信
- 民間機関や行政機関などへのコンサルテーションや提言、協働での事業実施など
- 関連するトピックに基づくイベント、研修、ワークショップなどの開催やコーディネート
- より良い薬物政策につながる取り組み(支援など)の実践
スタッフ紹介
上岡陽江(代表)
ダルク女性ハウス施設長/精神保健福祉士。10代から処方薬依存・摂食障害・アルコール依存を経験し、20代半ばで回復プログラムにつながる。1991年に薬物・アルコール依存をもつ女性をサポートするダルク女性ハウスを設立。依存症の母親とその子どものための包括的な支援に注力。当事者への支援に加え、援助職者のための研修、グループワーク、スーパーバイジングなどにも従事。2018年より、東京大学熊谷晋一郎研究室にて協力研究員として、当事者研究事業に参加。
古藤吾郎(事務局長)
ソーシャルワーカー/精神保健福祉士。2005年に米国コロンビア大学大学院にてソーシャルワーク修士課程修了。薬物使用に関わる相談援助、ハームリダクション、アドボカシーなどを学ぶ。NPO法人アパリ(アジア太平洋地域アディクション研究所)にて薬物を使用する人のための相談支援を担当し、東京都精神保健福祉センター・東京保護観察所などでグループワークを実践。また、日本在留難民の生活支援(2017年まで)、DV加害者男性教育プログラムにも従事。上岡同様に、2018年より東京大学熊谷研究室の協力研究員。
沿革(ヒストリー)
- 2015年11月:薬物政策発展のための国際的なファンドを受け、本格的な活動を開始
- 2016年 4月:国連麻薬特別総会(UNGASS)に政府代表団顧問として参加(上岡・古藤)
- 2017年 8月:「ハームリダクションとは何かー薬物問題に対する、あるひとつの社会的選択」(中外医学社)を編著(精神科医松本俊彦氏とともに編著)
- 2017年10月:米国の薬物政策改革運動の第一人者であるイーサン・ネーデルマン氏の来日、法務省での会合を調整
- 2018年〜 :全国薬物依存症者家族会連合会(やっかれん)と連携し、厚生労働省、法務省、文部科学省などの省庁との会合に参加
- 2018年〜 :法務省の「札幌刑務支所における女子依存症回復支援モデル事業」にコンサルテーションとして参加。10月にはバンコク (タイ)で開催された「国際治療共同体(TC)学会」にて当該事業について発表
- 2018年 5月:やっかれんフォーラムのゲストスピーカーとして豪州のファミリードラッグサポート代表トリミンガム氏の来日をコーディネート。
- 2018年 9月:国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)による国際研修のため、海外客員専門家(オーストラリアの医師 アレックス・ワードック氏)招聘のサポート及び講義講師(上岡)として参加
- 2019年〜 :女子刑務所のあり方研究委員会に委員として参加
- 2019年 4月:やっかれんメンバーによるハームリダクション海外視察(オーストラリア)をコーディネート
- 2019年 7月:法務省主催の「再犯防止シンポジウム2019 依存症からの回復」にパネリスト参加
- 2019年10月:東京大学先端科学技術研究センターと「構造的スティグマとしての隔離〜障害・ジェンダー・依存症と刑務所」を主催(東京大学熊谷晋一郎研究室と協働)
- 2020年 1月:東京大学先端科学技術研究センター主催のインクルーシブ ・ラボ・プロジェクトのキックオフイベントにて発表
- 2020年 1月:龍谷大学ATA-net研究センターキック・オフ・シンポジウムにパネリスト参加。米国からのゲストスピーカーのイーサン・ネーデルマン氏をサポート
- 2020年 4月:NHK制作「ハートネットTV」(特集:ハームリダクション )に出演(上岡)、企画のサポート(海外取材先のコーディネート支援など)
- 2020年 4月:国連薬物・犯罪事務所(UNODC)とともに第14回国連犯罪防止刑事司法会議(通称:京都コングレス)へのイベント参加を調整(会議は新型コロナウイルスの影響により延期)
- 2021年 3月:国連ウィーン事務局内に設置されるVNGOC(国連ウィーン事務局NGO委員会)に加入
- 2021年 3月:第14回国連犯罪防止刑事司法会議(通称:京都コングレス)にて、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)が主催するサイド・イベントにゲストスピーカーとして登壇
国際的な会合・学会・研修などへの参加
- Decriminalisation Advocacy Meeting(ダブリン/アイルランド. 2020年2月)
- “Tools and Methods for Social Change and Policy Reform” Workshop/ISSDP Regional Conference: “Drug Policy in Asia: Rights, Wrongs, and Emerging Trends”(香港/中国. 2019年10月)
- International Harm Reduction Conference(ポルト/ポルトガル. 2019年4月)
- CND (Commission on Narcotic Drugs) 62nd session(ウィーン/オーストリア. 2019年3月)
- “New Challenge of Making an Innovative Public Prison-Based TC in Japan” in 27th WFTC World Conference(バンコク/タイ. 2018年10月)
- International AIDS Conference (アムステルダム/オランダ. 2018年7月)
- The third global consultation for the development of international guidelines on human rights and drug policy(バンコク/タイ. 2018年6月)
- Support. Don’t Punish (SDP) in Asia:Communications Training Workshop(バンコク/タイ. 2018年4月)
- CND (Commission on Narcotic Drugs) 61st session(ウィーン/オーストリア. 2018年3月)
- Building a sustainable future – financial tools and techniques(ブタペスト/ハンガリー. 2018年2月)
- Harm Reduction Academy Module3, Cycle 4(クアラルンプール/マレーシア. 2018年1月)
- Harm Reduction Academy Module 2, Cycle 4(モンバサ/ケニヤ. 2017年11月)
- “Dawn of Harm Reduction: Policy and Practice in Japan” in 27th IFNGO Conference(マカオ. 2017年11月)
- “The Fight in Asia: Drug Policy Reform in an Unforgiving Region” in International Drug Policy Reform Conference(アトランタ/米国. 2017年10月)
- Harm Reduction Academy Module 1, Cycle 4(キエフ/ウクライナ. 2017年9月)
- “Challenge of harm reduction advocacy in the Japan’s social values of morality” in International Harm Reduction Conference(モントリオール/カナダ. 2017年5月)
- IDPC Training of the Trainers Drug Policy Advocacy Workshop(バリ/インドネシア. 2016年9月)
- The 2016 Asia & Africa Advocacy Fellowship Program on Drug Policy Reform(ロンドン/英国. 2016年6月)
- Harm reduction advocacy initiative in Japan: Drug users and the stakeholders raised their voices for human rights and public health in International Harm Reduction Conference(クアラルンプール/マレーシア. 2015年10月)(NYAN準備期)
- The Asian Human Rights and Drug Policy Program Fall Course(ジョードプール/インド. 2014年11月)(NYAN準備期)